近年、美容室の倒産や閉店が増えているのをご存じでしょうか。東京商工リサーチの調べによると、2024年1月から4月の間で倒産件数が全国で46件となっており、前年同期と比べて48.3%も増加しています。なぜ美容室経営が苦境に立たされているのでしょうか。
この記事では潰れる美容室に共通しているポイントを5つ紹介します。これから開業を考えている方はぜひチェックしてください。
潰れる美容室に共通している5つのポイント
立地の悪さや技術不足なども美容室が潰れる原因です。さまざまな原因が考えられますが、実際に倒産や閉店に追い込まれた美容室には共通しているポイントがあります。逆に考えるとこれらのポイントを事前に回避・改善することで、倒産を避けられるかもしれません。
原因1.集客力が不足していた
雰囲気の良い美容室をデザインしたり、ある程度働く美容師の指名客があったりしても、集客活動をしなければ新しいお客様は見込めません。美容室を知ってもらい、新規顧客を増やす努力は必要不可欠です。また、美容室はすぐ近くに住む地元の人々に支えられている面もあります。地域の人にとって魅力的なアプローチやサービスも考えて打ち出すことも大切です。
客単価を考えて、1か月あたりどれくらいの集客があったら経営していけるのかを考え、集客プランも練っておきましょう。
原因2.スタッフの定着率が悪かった
スタッフがすぐに辞めてしまうと、リピート客が付きづらくなります。「すぐに辞めるということは何か理由があるはず」「安心して任せられない」と、顧客からの信頼を得にくくなるのです。
また、新たなスタッフを確保する採用活動に時間や費用を割かれることになり、さらに新人教育も必要です。経営者だけでなく既存スタッフにも負担がかかり、マネジメントが難しくなります。
経営者としてだけでなく、スタッフの立場から考えて働きやすい環境をつくっていきましょう。最初につくったルールでうまくいかないなら、臨機応変な対応をすることも大切です。
原因3.コストの増加に耐えられなかった
美容室を開業する前には、余裕のある事業計画を立てておくことも大切です。経営者は開業前に毎月経営していくための固定費をベースにして、維持していくために必要な売上を算出するなどの計画を立てます。
しかし、固定費は常に一定ではなく、世間の情勢などによって突然上昇するケースも多々あります。そのため、余裕のないギリギリの事業計画を立てていると急なコストの増加に耐え切れず、閉店へと追い込まれるかもしれません。「事業計画はあくまで計画であり、その通りに行かないのが当たり前」と肝に銘じておきましょう。
原因4.資金の使い方を誤った
開業資金を使う優先順位と配分を間違えると、倒産や閉店につながりやすいです。たとえば雰囲気を大切にしたいからといって、内装デザインにばかりお金を使いすぎると、実際の店舗運営にかかる費用を削らなければいけません。
そうするとサービスが低下し、新規顧客はもちろん以前からの指名客も逃すことにつながります。資金の優先順位と配分は本当にバランスが良くなっているのか、実際に開業経験のある第三者の目からチェックしてもらうのもおすすめです。
原因5.経営者の経験が不足していた
そもそもの経験不足から、倒産や閉店に追い込まれるケースも多々あります。美容師として優れた技術があっても、経営の知識がない方がほとんどです。オーナーになるなら、経営者としての知識や立ち振る舞い、ノウハウを事前に身に着けておきましょう。実際の美容室オーナーに話を聞いたり、専門の開業セミナーに参加するのも良いでしょう。
60%の美容室が1年以内に閉店!知識を養うことが大切
潰れる美容室に共通している5つのポイントをお話しましたが、この中でも「経営者の経験不足」は切実な問題です。初めて美容室をオープンしようと考えている方は、優れた技術力やコミュニケーション能力はあっても経営の知識はない人が多く、結果として60%の美容院が1年以内に閉店するという衝撃的なデータもあります。
美容室は他の業種よりも高い初期投資が必要で、運営費用も高くつきます。コストは年々上がっているにも関わらず価格競争は厳しくなっており、今後はますます高い営業力や財務管理能力が求められるでしょう。必ず確かな知識を持った人から話を聞き、自ら積極的に学ぶ意思が必要です。
まとめ
今回は美容室が潰れる原因と前兆、そして対策方法を解説しました。近年、多くの美容室が集客や人材不足、価格競争の影響で資金を使い果たし、毎年廃業に追い込まれています。店舗を長く経営していくためには、開業前に店舗のコンセプトをしっかりと考え抜き、経営環境の変化に対応できる余裕のある事業計画を立てることが欠かせません。美容師としての技術力に加えて、集客方法や売上のデータ分析など、経営を成功させるための戦略的な知識も学びましょう。
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